■ 環適のデモ2017.6.23

とりあえず書き始めます。

 17日宮崎では左片麻痺の男性にモデルになって頂きました。控え室でご挨拶したときは血圧測定の最中だったと思います。後ろ姿は比較的大柄でがっしりとした体格の人が車いすの中で力なく背を丸めているという印象でした。言葉少なで声に張りがなく、会話では間が空き勝ちであったように思います。ただし、これはデモが終了した後にスタッフから以前は抑うつ傾向が続いていたという話を聞いているのでその脚色が私の記憶に混ざってしまっているかも知れません。程度の問題は不正確かも知れないですが、いずれにしても右半球症状が顕著な左肩麻痺の障害像の背景には抑うつ傾向があるということは古くから言われてきたことですし、この印象が、デモの最中に私の主要なテーマであったことは間違いないです。

 デモの開始時点で目立ったことは、山梨の右片麻痺の方とは対照的に顕著な非対称姿勢でした。私はいつも通りモデルの麻痺側に位置して話しかけました。すると次第にその非対称性が増してきて、思わず手を出して支えたくなるほどに麻痺側の左方向に傾いてきたのです。これは頚部や体幹を選択的に回旋することが難しくて代償反応として起きていることなのだろうとは思われましたが、むしろ強い力みを伴うというのではなく惰性的に、そしてそれゆえにゆっくりとしたペースで進行しました。
 私も我慢できず、どこまで傾くのか見極める前に「前を向いて話しませんか」という妥協策を提案してしまいました。
 ちょうど私たちの前にはその状況をビデオカメラで写しだしているスクリーンがありましたので、その後彼はある程度体性を持ち直して、こんどはそれを見ながら会話するようになりました。
 ということは私の印象では元気がなく、姿勢の保持も惰性的になりがちであるにもかかわらず、この場面に関してのオリエンテーションは的確に捉えられていると言うことです。何とはなしに違和感を覚えた記憶があります。

 上下肢の自発運動にも特徴が認められました。姿勢が定型的に偏っているにもかかわらず(偏っている割には)、容易に膝の屈伸や上肢の挙上を行えているようなのです。もちろん可動域いっぱいまで滑らかに動かせるわけではないのですが、特に膝を伸展したあとの屈曲して元に戻す過程には選択的に動かそうとする努力の余地があるように見えました。端座位のままで膝を伸展する場合一般的には定型パターンが主流となりがちで身体が麻痺側後方に傾き下肢はいわゆる伸展パターンとなりやすい傾向があります。ですから膝の屈曲は難しいわけです。
 彼には姿勢の偏りの割に四肢のコントロールが比較的保たれているという特徴が認められました。つまり、山梨のモデルの方とは正反対の様相が認められたわけです。
 そこで、受講している皆さんに、姿勢と運動の関係を簡単明瞭に例示するアイデアが浮かびました。上下肢の運動を何度も繰り返してもらい、当然それには相応の姿勢調整が伴うはずなのですから、それを観察してもらったのです。
思惑どうり姿勢の偏りはそれなりに減少して立ち直ってきました。
 


CGI-design