■ 上腕二頭筋2017.6.5

今日、2017年6月5日、右片麻痺の方の治療を行った。
10年以上経過していて麻痺手は不自由ながらある程度実用機能が発揮できている。
しかし、しつこいこわばりに悩まされているのでときどき治療を頼まれている。

治療をしながら長年曖昧だったことに少しだけ見通しが出てきた気がするのでメモ程度に文章化しておこうと思う。

上腕二頭筋についてだ。

 上腕二頭筋の長頭は肩甲骨の関節上結節、短頭は烏口突起から起始して、一旦合流し、橈骨粗面に停止する一方で停止腱膜が前腕屈筋源の起始付近を包み込んでいる。
 
 私はこの筋肉の状態像が変化に富んでいるので、上肢・肩甲帯や姿勢緊張全般を理解する一つの指標として注目し、直接的な治療操作の対象部位にもしている。

 筋腹を触診するとその緊張状態は、前腕を回外した状態では相対的に内側に対して外側が低い印象を受けるのだが、前腕を十分に回内した状態ではその差が消失する。
肘関節伸展時のアライメントを修復する際には、前腕を回内して二頭筋の緊張を均等化した状態で肘の屈曲位から筋を引き伸ばすように伸展している。経験的には緊張が緩和しやすく、また外反肘などのアライメント異常も修復しやすいという結果を得ているからだ。

 今回治療した方の二頭筋はその緊張の差が明確で内側と外側の繊維群が比較的はっきりを二つの筋腹として見て取れた。

 前腕回内位で外側の緊張が高まるのは停止が橈骨粗面であり、前腕を回内するとその位置が肘の後面に回り込み停止腱を巻き取る形となる一方で前腕の屈筋群は手関節の掌屈を許す限りにおいてゆとりを持つということに由来していると理解している。
 
 もしそうだとすれば、完全な分離ではないにしてもある程度停止腱は外側繊維群、停止腱膜は内側繊維群という構図が考え得るのではないかと思い始めていた。それが今回確認できたような気がした。

 それは内側(烏口突起を起始とする短頭)が小胸筋の作用との関連が深く、同時に烏口腕筋との共同作用を持ち、かつ上腕筋にそれらの影響がおよんでいるという意味で重要ではないかと思う。

 上腕二頭筋への治療操作で肘周囲の緊張緩和がはかれると共にその結果上腕二頭筋自体が明確に促通できる根拠となりそうに思う。


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